『マビノギオン 中世ウェールズ幻想物語集』中野節子(JULA出版局)

2018年8月18日

訳出にあたってエヴァンズ博士(Dr.Gwenogvryn Evans)とリース卿(Sir John Rhys)の『白い本』と『赤い本』の二冊のウェールズ語原典復刻本を用いつつの完訳本。重訳ではない。

胸が熱くなるな。

原典復刻本を用いての完訳。日本語で読める……!というこの、胸にこみあげてくる気持ち。

中野節子氏はイギリス児童文学、ウェールズ文学を専攻とする方で、学術研究員としてウェールズ大学バンゴール校ウェールズ語学科に留学された方らしい。そういう方の手になる本だけに、解説も訳注も実にしっかりしている。マビノギが読みたい方はこちらを手に取れば間違いないだろう。

リンク マビノギオン━━中世ウェールズ幻想物語集 – JULA出版局

マビノギオンといえば『マビノギオン―ケルト神話物語 シャーロット・ゲスト版』もあるが、個人的には中野節子氏の訳したマビノギオンを推しておきたい。

カムリの手書き風地図がめちゃくちゃカワイイ。

目次を読む

  • 日本語版の刊行によせて
  • 『マビノギオン』への長い旅──序にかえて

マビノーギの四つの物語

  • ダヴェドの大公プイス
  • スィールの娘ブランウェン
  • スィールの息子マナウィダン
  • マソヌウイの息子マース

カムリに伝わる四つの物語

  • マクセン・ウレディクの夢
  • スィッズとスェヴェリスの物語
  • キルッフとオルウェン
  • ロナブイの夢

アルスルの宮廷の三つのロマンス

  • ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人
  • エヴラウクの息子ペレドゥルの物語
  • エルビンの息子ゲライントの物語

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  • 訳注
  • 解説
  • 人名一覧
  • 地名一覧
  • 参考文献

もっと詳しく知りたい方へ

読むだけじゃなくてもっと詳しく知りたいんだよって人はこれも読んでみると良い。

『魅惑の国ウェールズの華 『マビノギオン』を読む』(JULA出版局)

リンク 魅惑の国ウェールズの華 『マビノギオン』を読む – JULA出版局

中野節子氏によるマビノギオン研究の集大成ともいえそうな、「マビノギオン解説書」が本書ではないだろうか。『マビノギオン』の十一編の概略研究は公開されていてインターネットで読むこともできる。

ぼく
ぼく
興味のある人はCiNii Articlesで 『マビノーギ』研究 と検索してみよう!

『マビノギオンの世界──ウェールズに物語の背景をたずねて』(JULA出版局)

リンク マビノギオンの世界━━ウェールズに物語の背景をたずねて – JULA出版局

マビノギオンに魅せられたカメラマン夫妻がウェールズを旅しながら撮影した写真を見ながら、マビノギオンの舞台を感じられる。中野節子氏によるあらすじ・解説もついていて、撮影ポイントを示した地図なども載っていて、この一冊をそばに置きながらマビノギオンを読むと捗ります。

この記事で紹介した書籍一覧

  • 中野節子 訳 『マビノギオン : 中世ウェールズ幻想物語集』 JULA出版局(2000)
  • 中野節子 『魅惑の国ウェールズの華『マビノギオン』を読む』 JULA出版局(2017)
  • 加藤忠興 写真 『マビノギオンの世界 : ウェールズに物語の背景をたずねて』 JULA出版局(2006)