アイルランド来寇の歴史(簡略版)

2017年11月4日

今更のように触れてみることにした。

『アイルランド来寇の書』(Lebor Gabála Érenn)では、エリン(アイルランドの古名)の島にやってきた最初の人はノア(Noe)の息子ビト(Bith)の娘、セゼール(Cessair)であるとされている。

『創世記』にあるノアの大洪水の40日前にセゼール達は島に来て、40日後に洪水で滅びるのだけど、たった一人、フィンタン (Fintan)という男が生き残り、5千年の間見聞きした古代の出来事を語って、それが記録されたことになっている。

次々にアイルランドにやって来た種族は

  • パルトローン(Partholón)
  • ネウェド(Nemed)
  • フィル・ボルグ(Fir Bolg), フィル・ドムナン(Fir Domnann), フィル・ゲレン(Fir Gaileoin)
  • トゥアハ・デ・ダナン(Tuatha Dé Danann)
  • ミレー族(Milesians)

――の順番。

簡単にまとめてみる。(機会があればそれぞれまた調べて記事にしたいと思いますが……)

パルトローン

ノアの大洪水の300年後にアイルランドを手に入れた。
一族の間に疫病が流行し、トァン・マッカラル(Tuan mac Cairill)を除いて死滅。

この時既にフォモール族は島に居たとされる。パルトローンたちとフォモールとの戦いはアイルランドにおける初めての戦いとなった。

ネウェド

この時期、12の野原が開け、4つの湖ができた。

ネウェドとその仲間は疫病により突然死滅。生き残った者たちは一方で、フォモールの支配の元で生活し、毎年11月1日のサワーンの日に、収穫の3分の2と、ミルクと、子どもたちを奉納しなければならなかった。
そのため、ついに決起し、フォモール族と戦ったが、30人(10人×3)を残し海に飲み込まれた。

残った30人がアイルランドを去り、ギリシアか北の国へ行き、後世の記録ではこの時逃れたネウェド一族がブリテンの統治者となり、ほかの二家族の一つがフィルボルグ族となり、もう一つがダーナ神族となって、再びアイルランドに戻ってきたとされている。

フィル・ボルグ

フィル・ボルグ族はアイルランドの《国》を5つに分割し、地方を制度化し、王権を成立したとされる。

アイルランド史入門』(S・マコール著 明石書店)で、

  • Fir Bolg 「フィール・ボルグ」 《矢筒の人(弓の射手)》の意
  • Fir Domhnann 「フィール・ドムナン」 《よそ者》と対をなす《現地人》の意
  • Fir Gaileoin 「フィール・ゲレン」 (明らかに)その祖先ゴール人に感化された名

……と名づけた。そう書いてあるが、フィルボルグの意味は、井上君江著の『ケルトの神話』では《皮を持つ人》の意となっている。

トゥアハ・デ・ダナン

世界の北の島に住んでいたとされる。
トゥアハ・デ・ダナン族は北方四島の四都市、フィンディアスの町からヌアダの「魔剣」、ゴリアスの町からはルーの「魔の槍」、ムリアスの町からはダグダの「魔の釜」、フアリアスの町からは「運命の石」を持ってきた。

マグ・トゥレド第一の戦いではフィル・ボルグを、第二の戦いでフォモールを破る。

しかしタルティウの戦いでミレー族に敗れ、地下の住処(シード)で暮すようになった。

ミレー族

ビレ(Bile)の息子ミレ(Míl)がアイルランド人の神話的な祖先。
ミレの先祖は、ノアの息子の一人ヤフェトの子孫だとされる。

ベルティネ(5月1日)に、ミレの息子たちはアイルランドに上陸した。

彼等なトゥアハ・デ・ダナン族を破り、アイルランドを統治するようになる。

……以上本当に端折りましたが、ちょこちょこ追記していくつもりです。

参考文献
  • MacCana, Proinsias, 松田幸雄(訳) 『ケルト神話』 青土社, 1991.
  • Maier, Bernhard, 平島直一郎・鶴岡真弓(訳)『ケルト事典』 創元社, 2001.
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櫟野もり(Ichino Mori)

ゲームばかりしながらアイルランド神話関係の雑記を書いたりしている。
今やってるのは「FGO」と「FF15」。

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