ケルト神話おすすめ本10冊【初心者向】

2017年11月10日

独断と偏見と素人目線によるケルト神話おすすめ本を10冊選んだのでご紹介。

初心者向けというか初めての人向けの案内になればいいなと思って書きました。【入手のしやすさ】と【日本語で書かれている】も少し考慮しました。

英語の本をおすすめだよって言われてもさあ……管理人は英語の苦手な日本人なんだ。orz

ケルト神話とタイトルにつけてますが、対象地域は【アイルランド】【ウェールズ】、スコットランドやブルターニュ、あとアーサー王伝説はまた機会があるときに記事にできたらいいな(希望的観測)。

それではいきましょう。

辞典・事典

まず持っておくといろいろ捗る辞書・事典類。

『ケルト文化事典』東京堂出版

イチオシは、2017年5月に東京堂出版から出版された『ケルト文化事典』、「ケルトの歴史・文化についての初の総合事典」とあるのが熱い。

日本国内においても、ケルト文化領域を扱った書籍は、専門性の高いものから一般的なものまで、相当数の量に達している。辞典や事典に限ってもそれなりの数が揃っているといえるかもしれない。ところが、それらのすべては外国語による辞典や事典を日本語に翻訳した版で、日本人研究者自身によって編纂・執筆されたものはまったく見当たらない。わが国のケルト学の進展ぶりが事典に反映されていないのは残念なことと思われる。
この事典は、そうしたケルト関連書の出版事情を振り返り、日本人研究者の執筆による独自のケルト文化事典刊行の必要性を痛感したところから、企画が始まった。

と、まえがきにあるように、本邦初である。

引く事典というよりは読む事典といった感じで、一つ一つの項目が簡潔・平明に書かれており理解しやすい。

この事典の構成は次のようになっている。

Ⅰ 総記
Ⅱ 歴史・考古・言語
Ⅲ ケルト社会
Ⅳ 宗教
Ⅴ キリスト教との合一
Ⅵ 生活・民俗
Ⅶ ケルト美術
Ⅷ ケルト圏文学1 初期・中世
Ⅸ ケルト圏文学2 近現代
Ⅹ ケルト復興
Ⅺ ケルトの伝統と現代

「Ⅷ ケルト圏文学1 初期・中世」の部分の構成

ケルト圏の初期文学
  • ケルト圏神話・伝説の体系
  • 他文化圏神話・伝説との比較
  • 日本神話との比較
  • ストーリーテリング
  • フィリ
  • バルド/バルズ
初期アイルランド文学
  • 初期アイルランド文学
  • 写本
  • アルスター物語群
  • 『クアルンゲの牛捕り』
  • 『フロイヒの牛捕り』
  • クー・フリン
  • 赤枝戦士団
  • コンホヴァル
  • メドヴ
  • フェル・ディアド
  • フェルグス・マク・ロイヒ
  • マグ・ムルテウネ
  • クルアハン
  • ゲシュ
  • 『ブリクリウの饗応』
  • 『マク・ダトーの豚の話』
  • 『ダ・デルガの館の崩壊』
  • テウィル(タラ)
  • タルヴェシュ
  • 館(ブルデン)
  • 『ウラドの戦士たちの酩酊』
  • 『コンホヴァルの誕生』
  • 『ウラドの人々の衰弱』
  • マハ
  • 『ウシュリウの息子たちの流浪』
  • デルドリウ
  • ノイシウ・マク・ウシュレン
  • 『クー・フリンの誕生』
  • 『エウェルへの求婚』
  • 『クー・フリンの病』
  • 『アイフェの一人息子の最期』
  • 『オイングスの夢』
  • 『ネラの冒険』
  • 神話物語群
  • 『アイルランド侵寇の書』
  • 『エーダインへの求婚』
  • 『マグ・トゥレドの戦い』
  • フォウォレ
  • フィル・ヴォルグ
  • 『トゥリンの息子たちの最期』
  • 『リルの子たちの悲しい物語』
  • 『二つの牛乳差しの館の養育』
  • フィニアン物語群
  • フィン・マク・クウィル
  • オシーン
  • オスカル
  • ディアルミド・ウア・ドゥヴネ
  • カイルテ・マク・ローナーン
  • アレンの丘
  • 『ガヴラの戦い』
  • 『フィントラーグの戦い』
  • 『フィンの少年時代の行い』
  • 知恵の鮭
  • ゴル・マク・モルナ
  • 『古老たちの語らい』
  • 『ディアルミドとグラーニャの追跡』
  • 歴史物語群
  • 『ディン・リーグの殺戮』
  • 『マグ・ムクラマの戦い』
  • 『ブヘトの館の調べ』
  • 『美声のバレの話』
  • 『スヴネの狂乱』
  • 『マグ・ラトの戦い』
  • 冒険物語
  • 『コンラの冒険』
  • ウシュネフ
  • 『幻影の予言』
  • 『コルマクの冒険』
  • 『コンの息子アルトの冒険』
  • 『ロイガレの冒険』
  • 航海物語
  • 『ブランの航海』
  • 『マイル・ドゥーンの航海』
  • 『コラの息子たちの航海』
  • 『スネードゥグスとマグ・リアグラの航海』
  • 『聖ブレンダンの航海』
  • 初期アイルランド詩
  • 自然詩
  • 韻律
  • 『フィン詩歌集』
  • キーティング,ジェフリー
  • 幻想・夢の物語
  • 『トゥヌクダルスの幻視』
  • 『アダウナーンの幻視』
  • 『マッコングリニの夢想』
  • ディンヘンハス
  • 『アイルランド地誌』
  • 聖人伝
  • 聖書物語
初期スコットランド文学
  • 『リスモール首席司祭の書』
初期ウェールズ文学
  • ユウェンクス・エングラニオン
  • ウェールズ四大古書
  • カンヴェイルズ
  • タリエシン
  • 『ゴドジン』
  • ブリテン島の三大歌
  • 「アヌーヴンの略奪品」
  • 「ブリテンの預言」
  • マルジン・ウィスト
  • 『スラワルフ・ヘーンの歌』
  • 『ヘレーズの歌』
  • 中期ウェールズ語散文説話
  • 『マビノギ四つの枝』
  • 「ダヴェッドの領主プウィス」
  • 「スリールの娘ブランウェン」
  • 「スリールの息子マナワダン」
  • 「マソヌウイの息子マース」
  • 『オワインまたは泉の女伯爵の物語』
  • 『エヴロウグの息子ペレディールの物語』
  • 『エルビンの息子ゲライントの物語』
  • 『ローマの皇帝マクセン公の夢』
  • 『スリーズとスレヴェリスの冒険』
  • 『キルフーフとオルウェン』
  • 『フロナブウィの夢』
  • 『タリエシン物語』
  • フリアノン
  • ベンディゲイドヴラーン
  • スレイ・スラウ・ガフェス
  • マボン・アプ・モドロン
  • トゥルッフ・トルウィス
  • アヌーヴン/アヌーン
  • グウィン・アプ・ニーズ
  • グウィオン・バッハ
  • ベリ・マウル
  • 諸公の詩人
  • ギラルドゥス・カンブレンシス
アーサー王伝説・文学
  • アーサー王物語の形成と発展
  • ジェフリー・オブ・モンマス
  • ラヤモン
  • ワース
  • クレティアン・ド・トロワ
  • マロリー,サー・トマス
  • マロリー以降――現代まで
  • 円卓
  • 円卓の騎士たち
  • ランスロット
  • グウィネヴィア
  • イレイン
  • トリスタンとイズー
  • ガウェイン
  • 緑の騎士
  • 聖杯の探索
  • 漁夫王
  • ガラハッド
  • パーシヴァル
  • マーリン
  • モルガン・ル・フェ
  • 湖の貴婦人
  • エクスカリバー
  • アヴァロン
  • 北欧のアーサー王

――と、初期アイルランド文学の項目が多めになる。

リストを見ればわかるが、あいうえお順とかアルファベット順にはなっていない。
領域別に内容理解の便宜性や内容の関連性・一体性を考慮したものにした。と凡例にあるので、順に読み進めると理解しやすくなっているというのもおすすめするポイントだ。

先にも書いたが、本当に「読む事典」といった感じだから、興味のある分野をじっくり読んでいくと楽しい発見があると思う。

『ケルト事典』創元社

本事典の目標は、読者にこれらすべての領域を、手頃でまとまりのある確実な参考資料によって明らかにすることである。と原著の序文にはある。

初のケルト〈プロパー〉事典と帯にはある。プロパーとは[proper]であり、「(目的・状況などにかなって)適切な、ふさわしい、ちゃんとした」といった意味のようだ。

2001年に出版された事典で、手で持つにもコンパクトで、神話を読みながら引くのにとても便利な事典なので、これからたくさん読んでみたいという方は持っていて損はないと思う。
というか、手元に置かないにしても、図書館でこの事典借りてきて最初から最後まで全部の項目(990項目)を読めば、今後出くわすだろうだいたいの単語を目にすることになるはずだ。

ケルト事典というと紹介した2冊に加えて、邦訳があるのはミランダ・グリーンの『ケルト神話・伝説事典』と、ジャン・マルカルの『ケルト文化事典』があるが、初めてケルトに触れるという人であれば、一番初めに紹介した東京堂出版『ケルト文化事典』か、マイヤーのものを個人的にはおすすめする。

アイルランド神話 入門書

これ以降、目次を書き出しているものは「はじめに」「あとがき」といった部分はほぼ省略しているがご容赦願いたい……。

『ケルトの神話 女神と英雄と妖精と』ちくま文庫

ザ・定番アイルランド神話入門書といった感じの文庫本。
ケルトの神話とタイトルにはあるけれども、この本に入っているのはすべてアイルランド神話のものだ。

井村君江氏により、平易な文体で書かれており、最初はアイルランド神話の大まかな理解の助けになるだろう。

『ケルトの神話 女神と英雄と妖精と』目次

Ⅰ 「天地創造神話」のない神話
  • 地下から来た神々
  • 国造りを見た男トァンの話
Ⅱ ダーナ神族の神話
  • ダーナの神々
  • ダーナ神族と妖精と常若の国
  • 銀の腕のヌァダとブレス王
  • トゥレン三兄弟の試練の旅
  • 光の神ルーと魔眼バロール
  • かゆ好きの神ダグダ
  • 愛の神オィングスの夢
  • 蝶になったエーディン
  • 白鳥になったリールの子
  • 大地と河の女神――エスニャ、エリウ、ボアーン
  • 戦いの女神――モリグー、バズヴ、ヴァハ
Ⅲ アルスター神話
  • 赤枝の戦士たち
  • 光の神ルーの子ク・ホリン
  • 悲しみのディアドラ
Ⅳ フィアナ神話
  • フィンとフィアナ騎士団
  • フィンと知恵の鮭
  • フィンと妖精サヴァ
  • 常若の国へ行ったオシーン
  • 妖精にたのまれた戦い
  • ディルムッドとグラーニャの恋

アイルランド神話を読む

『アイリッシュ・ハープの調べ ケルトの神話集』春風社

以前このブログでも紹介したことがあるが、「ケルト神話を初めて読む人へはこの本をおすすめしなければならない」というゲッシュを持っているのでおすすめする。

アイルランドの初期の文学は、大きく分類して、「神話ものがたり」「アルスターものがたり」「フィニアンものがたり」の三つの群に分けられています。この本では、三つのものがたり群について、それぞれかいつまんで紹介するとともに、そのなかから代表的な古いものがたりを選び出してあります。

と原作者マリー・ヒーニーの言葉にもあるように、本当に有名な話だけを平易にやさしく語っているので、初めての人はとっつきやすいのではないかと思う。

『アイリッシュ・ハープの調べ ケルトの神話集』目次

第一部 神話ものがたり
  • モイテューラの戦い
  • リールの子どもたち
第二部 アルスターものがたり
  • クー・フリンの誕生
  • ブリックルーの宴会
  • 悲しみのディアドラ
第三部 フィニアンものがたり
  • フィンと知恵の鮭
  • 魔法にかけられた鹿
  • オシーンと不老不死の楽園

原著はめちゃくちゃ美麗な絵本なのだが、実は買わなくても見る方法がある。

Internet Archiveで、デジタル書籍を借りることが出来るのだ。(もちろん英語で書かれているけれども細かいことはいい)

アカウントを取得し(メールアドレスとパスワードの登録が必要)、

The names upon the harp, Irish myth and legend : Heaney, Marie

↑に行くとBorrowかWaiting listといったボタンが表示されるはずだ。

どっちのボタンが出てきてもいいから押せ。

すぐに借りることが出来た場合、そのままフルカラー美麗絵本をブラウザで楽しむことが出来るようになる。
もしすぐに借りられないにしても、Waiting listに登録しておけば、借りれるようになった時にメールで通知してくれるので、Borrowすればいいのである。

『ケルト神話ファンタジー 炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール』ちくま文庫

定番といった感じの、ローズマリー・サトクリフによるアイルランド神話の再話である。
元々ほるぷ出版から出ていた『ケルト神話 炎の戦士クーフリン』と、『ケルト神話 黄金の騎士フィン・マックール』を一冊にまとめて文庫にしたもの。

残念ながらこの記事を書いている2017年11月5日時点でAmazonでの取扱は出来ないようだが、元々でていた方のAmazon中古価格を見ると炎の戦士のほうはクソ高い。図書館に行けば見つかることもあるだろう。

アイルランド神話の二大英雄クー・フリンとフィン・マックールの話がどんなものか興味があれば、この本はきっと貴方を楽しませてくれるだろう。

『ケルト神話ファンタジー 炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール』目次

炎の戦士クーフリン 灰島かり訳
  • 第一章 デヒテラ姫の贈り物
  • 第二章 武者立ちの儀
  • 第三章 跳躍の橋
  • 第四章 女領主アイフェ
  • 第五章 クーフリンの初めての襲撃
  • 第六章 クーフリンの結婚
  • 第七章 ブリクリウの大宴会
  • 第八章 アイルランドの英雄争い
  • 第九章 ディアドラとウシュナの息子たち
  • 第十章 メイヴ女王の出撃
  • 第十一章 浅瀬の攻防
  • 第十二章 フェルディアの死
  • 第十三章 牛争いの結末
  • 第十四章 やってきたコンラ
  • 第十五章 カラティンの魔女娘たち
  • 第十六章 クーフリンの最期
  • 第十七章 『勝利のコナル』の復讐
黄金の騎士フィン・マックール 金原瑞人・久慈美貴訳
  • 第一章 フィンの誕生と少年時代
  • 第二章 クールの息子フィン
  • 第三章 フィンとフィアンナの騎士たち
  • 第四章 フィンと『若い勇士』の子どもたち
  • 第五章 フィンと灰色の犬
  • 第六章 アシーンの誕生
  • 第七章 ガリオン山脈の追跡
  • 第八章 ジラ・ダカーと醜い雌馬
  • 第九章 フィアンナの名馬
  • 第十章 ナナカマドの木の宿
  • 第十一章 ディアミッドとグラーニア
  • 第十二章 黄金の髪のニーヴ
  • 第十三章 ディアミッドの死
  • 第十四章 ガヴラの戦い
  • 第十五章 アシーンの帰還

これに加えて、それぞれ「はじめに」ちょっとした著者による解説があり、また井辻朱美氏による解説「伝説の英雄から等身大の人間へ」が入っている。

『トーイン クアルンゲの牛捕り(海外文学セレクション)』東京創元社

キアラン・カーソンによる『クアルンゲの牛捕り』。
ケルト神話読みたい!となった人が一番最初に読む本として選ぶのは、正直言っておすすめできない

なら、なんで初心者向けのはずのこの記事で紹介してるんだよってなりますけども。

トーインを英訳して更に日本語に翻訳する重訳になるが、日本語でトーインの物語の全てを読もうとしたらこれしかない!

アイルランド神話好きとして、この叙事物語に触れてほしいという気持ちは少なからずあるのでこうして紹介している。
そしてクーフリン好きは絶対にトーインは押さえておくべきだと思う。

おすすめするポイントとしてはきちんと注釈がついている点。これで、トーインに出てくる謎な単語やら登場人物の名前の意味やらをしっかりと知ることが出来る。
そして、著者の解説がしっかりしている点だ。

一番最初に読むのにこの本をおすすめしないのは別に面白く無いからなどではなく、ある程度話の筋や主人公のクーフリンについて知識を得てからのほうが、面白いものをより面白く読むことが出来ると思うからだ。

読み手にある程度、楽しむための準備、予備知識がある方がいいと思うのだ。この本は「ケルト神話の」最初の一冊に選ぶより、二冊目がいいと個人的に思う。

そして、別に読みにくい文章なんてことはない。むしろ文章としては読みやすいだろう。

訳者の栩木伸明氏の文章は目で追いかける楽しさを味わわせてくれる。

栩木伸明氏は小説『琥珀捕り (海外文学セレクション)』の翻訳も手がけているが、こちらも琥珀をテーマに巡っていくストーリーの中に溢れる薀蓄だのなんだの諸々面白いので、アイルランド神話とは直接関係ないがおすすめしておきたい。

『トーイン クアルンゲの牛捕り(海外文学セレクション)』目次

  • Ⅰ 寝物語とその後のなりゆき
  • Ⅱ 〈トーイン〉がはじまる
  • Ⅲ クー・フリンの正体がしだいに明らかになる
  • Ⅳ クー・フリンが少年時代にたてた数々の手柄
  • Ⅴ ゲリラ戦術
  • Ⅵ 対戦
  • Ⅶ メーヴの軍勢が褐色の雄牛を見つける
  • Ⅷ 大殺戮
  • Ⅸ クー・フリンとフェル・ディアズの決闘
  • Ⅹ ケセルンが受けたたくさんの傷
  • ⅩI 小競り合い
  • ⅩⅡ アルスター軍集結
  • ⅩⅢ 最後の戦い

この本にはクー・フリンの死は含まない。メイヴ女王と休戦協定を結んだところで終わる。

栩木伸明氏によるあとがきにかえて、「クーフリンとメーヴをめぐるトリビア」があり、これも読み物として面白い。

『世界神話伝説大系』名著普及会

  • 〈40〉アイルランドの神話伝説〔I〕
  • 〈41〉アイルランドの神話伝説〔II〕

名著普及会『世界神話伝説体系』から、八住利雄編アイルランドの神話伝説が出ているが、図書館で借りて読めるのならば、まとまっていておすすめだ。
実は管理人も持っていないが、市立図書館や県立図書館などであれば置いてある可能性が高い、と思う。

アイルランド神話のはじめの一歩に良いかもしれない。

『世界神話伝説大系 〈40〉アイルランドの神話伝説〔I〕』目次

I 種々なる入寇の神話伝説
  • 1 ケルト族の天地創造説
  • 2 パートランの入来
  • 3 ツアン・マク・カレルの物語
  • 4 ニームドの一族
  • 5 ファーボルグの入来
  • 6 ダーナの人々の入来
  • 7 ダーナの人々の財宝
  • 8 モイツラの最初の戦い
  • 9 ブレス王の放逐
  • 10 ルフの出現
  • 11 ツレンの息子たちの捜索
  • 12 モイツラの二度目の戦い
  • 13 バラーの死
  • 14 ダグダの竪琴
  • 15 ダーナの神々の名称およびその性質
  • 16 巨神モオア
  • 17 愛の神アンガス・オグ
  • 18 太陽神ルフ
  • 19 誇りのマイダア
  • 20 リアとマナナン
  • 21 ダーナの女神
  • 22 邪神モリガン
  • 23 クリーナの波
  • 24 女神エーネー
  • 25 シネンドと「知識の井戸」
  • 26 ミレシアンの入来
  • 27 詩人アマーギン
  • 28 アマーギンの裁き
  • 29 ダーナの一族の敗亡
  • 30 ダーナの神話の意義
  • 31 ミレシアンの神話の意義
  • 32 リアの子供たち
  • 33 エスネーの話
  • 34 アイルランドにおける基督教精神と邪教精神
II 古代ミレシアンの種々なる王に関する神話伝説
  • 1 ミレシアンの征服後のダーナの一族
  • 2 ミレシアンのアイルランド平定
  • 3 テイアンヌス王の事業
  • 4 オラヴ・フォラ
  • 5 歴史上の評界
  • 6 兄弟喧嘩
  • 7 マオンの伝説
  • 8 コナリイ・モオアの伝説の数々
  • 9 妖精の国のエジン
  • 10 エオーヒの求恋
  • 11 アルイルの恋物語
  • 12 将棋の争い
  • 13 王の企らみ
  • 14 妖精の国との戦い
  • 15 コナリイ・モオアの物語
  • 16 コナリイ・モオアの家系
  • 17 ゲーシュの法則
  • 18 羊飼に養われしもの
  • 19 コナリイの出生
  • 20 コナリイ、王となる
  • 21 コナリイの「ゲーシュ」
  • 22 復讐のはじまり
  • 23 「赤い」三人
  • 24 軍勢の集合
  • 25 死と破壊との女神
  • 26 コナリイと従者たち
  • 27 攻撃、はじまる
  • 28 コナリイの死
  • 29 マク・ケフトの負傷
  • 30 「おまえの王は存命しているのか?」
III ウルトニアンの物語
  • 1 マーハの呪い
  • 2 黄色の踵
  • 3 レッド・ブランチ
  • 4 クルンドフーの誕生
  • 5 クランの猛犬
  • 6 クフーリンの元服
  • 7 クフーリンの求愛
  • 8 クフーリンの武者修業
  • 9 クフーリンの勇猛
  • 10 親子の悲劇
  • 11 クフーリンの最初の侵寇
  • 12 エマアを獲る
  • 13 悪魔と戦う
  • 14 不幸な姫
  • 15 ファーガスの叛逆
  • 16 女王メーヴ
  • 17 褐色の牛
  • 18 女王メーヴの戦い
  • 19 呪詛をあびせられたウルスタア
  • 20 予言の声
  • 21 いよいよ対戦
  • 22 ある浅瀬
  • 23 兇暴なる超人
  • 24 水のような好戦欲
  • 25 浅瀬の契約
  • 26 多くの一騎討
  • 27 褐色の牛の捕獲
  • 28 再びモリガン
  • 29 ロフとの戦い
  • 30 父の保護
  • 31 少年団の犠牲
  • 32 マアセムネイの鏖殺
  • 33 二十八人の兄弟
  • 34 親友の戦い
  • 35 ファーディアの死
  • 36 ウルスタアの蹶起
  • 37 ガラスの戦い
  • 38 牛の戦い
  • 39 妖精の国への旅
  • 40 愛憎乱麻
  • 41 メーヴの復讐
  • 42 多くの敵
  • 43 気が狂う
  • 44 浅瀬で洗濯する女
  • 45 片目の老婆たち
  • 46 超人の死
  • 47 タインの復活
  • 48 超人後日物語
  • 49 コノア王の死
  • 50 豚の物語
  • 51 ケトの死
  • 52 女王の最期
  • 53 豆仙人の王様
  • 54 醜顔物語
  • 55 王の死
  • 56 アイルランドの地名の意味について

『世界神話伝説大系 〈41〉アイルランドの神話伝説〔II〕』目次

IV アシインと中心とする伝説
  • 1 フィーアナの組織
  • 2 ウルスタアを中心とせる伝説文学との比較
  • 3 フインの出現
  • 4 妖怪退治
  • 5 無頼漢の改心
  • 6 禿頭の巨人
  • 7 恋の健脚家
  • 8 最も勇猛な騎士
  • 9 騎士道の訓戒
  • 10 優秀なる首領
  • 11 厳重なる試験
  • 12 基督教化の一例
  • 13 記念すべき誕生
  • 14 真白な馬の乙女
  • 15 妖精の国への旅
  • 16 帰還
  • 17 破れた妖術
  • 18 記録をとる
  • 19 魔の洞穴
  • 20 姉妹の恋
  • 21 古代回顧譚について
  • 22 聖僧との出会
  • 23 清らかな井戸
  • 24 聖パトリックとアイルランドの伝説文学
  • 25 ある邸の話
  • 26 三人の若武者
  • 27 美しき女巨人
  • 28 邪教と基督教
  • 29 他の主人公
  • 30 因縁の猪
  • 31 美しき恋物語
  • 32 ある狩猟の物語
  • 33 井戸の騎士
  • 34 妖精の国の救助
  • 35 基督教の影響
  • 36 ある比較
  • 37 恋人同士
  • 38 追跡
  • 39 妥協
  • 40 復讐
  • 41 男の死
  • 42 女の死
  • 43 二つの系統
  • 44 フィーアナの終末
  • 45 ゴウラの戦い
  • 46 オスカアの死
  • 47 フインの最後
V メールズーンの航海の伝説
  • 1 出発
  • 2 殺人者の島
  • 3 大蟻の島
  • 4 大きな鳥の島
  • 5 兇猛な獣の島
  • 6 巨大なる馬の島
  • 7 石の扉の島
  • 8 林檎の島
  • 9 不思議な獣の島
  • 10 咬み合う馬の島
  • 11 炎の豚の島
  • 12 小さい猫の島
  • 13 黒と白との羊の島
  • 14 巨大な家畜の島
  • 15 水車小屋の島
  • 16 悲しめる黒衣の人々の島
  • 17 四つの垣根の島
  • 18 硝子の橋の島
  • 19 鳥の囀り叫ぶ島
  • 20 隠者の島
  • 21 奇蹟の泉の島
  • 22 鍛冶場の島
  • 23 透明な硝子の島
  • 24 海底の島
  • 25 予言の島
  • 26 噴水の島
  • 27 銀の柱の島
  • 28 脚の上に立つ島
  • 29 女護ヶ島
  • 30 赤い果実の島
  • 31 鷲の島
  • 32 笑う人の島
  • 33 炎の城壁の島
  • 34 トリイの僧の島
  • 35 隼の島
  • 36 一行の帰還
VI 古代史上のケルト族
  • 1 古代における記録
  • 2 純粋ケルト族
  • 3 ケルト族の黄金時代
  • 4 アレキサンダア大王
  • 5 ローマの略奪
  • 6 古代ケルト族の美術
  • 7 ケルト族とゲルマン族
  • 8 ケルト族の衰退
  • 9 アイルランドの歴史的位置
  • 10 ケルト族の性質
  • 11 シイザアの観点
  • 12 他の観点
  • 13 裸体の戦士たち
  • 14 黄金に対する愛
  • 15 社会観相学的ケルト族
  • 16 ケルト族の欠点
  • 17 古代の国家観念
  • 18 ゲルマン族の忠節
  • 19 ケルト族の宗教
  • 20 ヨーロッパはケルト族に何を負うか
VII ケルト族の宗教
  • 1 アイルランドとケルト族の宗教
  • 2 巨石崇拝
  • 3 卓石、大石台、墳丘
  • 4 巨石民族の起源
  • 5 二つのケルト族
  • 6 魔術の宗教
  • 7 二三の遺跡
  • 8 穴のあいた石
  • 9 石に対する祭儀
  • 10 墳丘の一例
  • 11 舟による象徴
  • 12 足の表号
  • 13 その他の表号
  • 14 不滅の観念
  • 15 転生の教義
  • 16 人間の犠牲
  • 17 ケルト族の神々
  • 18 二つの神
  • 19 死に対する考え
  • 20 五つの要因

また、〈39〉スコットランドの神話伝説にはディルムッドが登場する。もう一生スコットランドから出てこなければいいのに。(なんか幸せそうなディルムッドだった)

アイルランド文学について詳しく知る【中級者向】

もっと知りたいという方には以下の本をおすすめしたい。

『アイルランドの文学精神―7世紀から20世紀まで』岩波書店

岩波書店の書籍紹介ページの説明が詳しいのでそちらも参照されたし。
アイルランドの文学精神 – 岩波書店

『アイルランドの文学精神―7世紀から20世紀まで』目次

神話の人びと
序章 懐古する予言
  • 予言する死者
  • 異界
  • 異文化接触
  • 時の重積
  • 中世文学の基層
  • パロディ
  • 列挙と円環
I  異界
第一章 異界行
  • 時の重積――聖コルム・キレと異界の若者との対話(九世紀)
  • 時を渡る――トゥアン・マク・カリルの変身譚
  • 時の交錯
  • 異界からの訪問者
  • 楽土の淫乱
  • スヴネの狂乱
  • 聖愚者マク・ダー・ヘルダ
  • サウィン
  • 創成神話としてのクアルンゲの牛捕り
第二章 予言
  • 死にきれない死者
  • 終末への憧れ
  • 死の予言のパラドックス
  • 死者と生者の往来
  • 禁忌と運命
  • 通夜
  • 循環する予言
第三章 土地の記憶
  • 地名の誕生
  • ディンヘンハス(地誌)
  • 古老達の語らい
  • 「アイルランド」の語源
  • 地名の英語化
  • 地名の呪い
  • 英語化のジレンマ
  • 地名のよみがえり
II パロディ
第一章 古典遍歴
  • 聖人の島アイルランド
  • 遍歴するアイルランドの修道士
  • コルンバヌス――儚き生よ
  • エリウゲナ
  • 聖書の奇蹟
  • 聖書注解とラテン語文法
  • 西方風の語り(ヒスペリカ・ファミナ)
  • ラテン語のパロディ
  • 詩人の手引きオガム文字
  • ラテン語文学の翻訳
第二章 聖書のパロディ
  • 不安のパロディ
  • 呪いの諷刺
  • 初期アイルランドのパロディ
  • 聖書物語
  • 反キリスト
  • 聖人伝
  • マッコングリニの夢想
第三章 土着文学の再話
  • クー・フリン
  • アルスター物語群
  • 神話物語群
  • フィアナ物語群
  • 歴史物語群
  • 航海物語
  • 諺(知恵)文学
  • 写本『レンスターの書』
  • 写本の落書き
第四章 植民地の憂鬱
  • ゲール文化の継続
  • 支配される意識
  • イギリス支配の強化と偏見の生成
  • キーティングによるアイルランド史の創作
  • 偏見への反論
  • 帝国の論理に対抗する民族の創造
第五章 復活の幻想
  • ガリヴァー旅行記
  • 英語に対するこだわり
  • 伝統の創作
  • 伝統復活のパラドックス
  • 植民地人の気質と暮らし
  • 保守的,宗教的敬虔さ
  • コナハトの恋歌
  • 現代アイルランド語文学の維持
  • 北からの声
終章 屈折した言語のダイナミズム
  • アイルランド語衰退の不条理
  • 言語復活運動の偽善性
  • 英語の破壊
  • 境界の言語文学――ケルト
  • アイルランド文学の不安と揺らぐ優しさ

その他のおすすめ本

古代アイルランド文学』マイルズ・ディロン, 青木 義明(訳), オセアニア出版

ウェールズ文学を読む

『マビノギオン 中世ウェールズ幻想物語集』JULA出版局

訳出にあたってエヴァンズ博士(Dr.Gwenogvryn Evans)とリース卿(Sir John Rhys)の『白い本』と『赤い本』の二冊のウェールズ語原典復刻本を用いつつの完訳本。重訳ではない。

胸が熱くなるな。

原典復刻本を用いての完訳。日本語で読める。なんてすばらしいんだろうか……!という気持ちでめちゃくちゃお薦めする。

中野節子氏はイギリス児童文学、ウェールズ文学を専攻とする方で、学術研究員としてウェールズ大学バンゴール校ウェールズ語学科に留学された方らしい。
そういう方の手になる本だけに、解説も訳注も実にしっかりしている。マビノギが読みたい方はこちらを手に取れば間違いないだろう。

マビノギオンといえば『マビノギオン―ケルト神話物語 シャーロット・ゲスト版』もあるが、個人的には中野節子氏の訳したマビノギオンを推しておきたい。

カムリの手書き風地図がめちゃくちゃカワイイ。

『マビノギオン 中世ウェールズ幻想物語集』目次

マビノーギの四つの物語
  • ダヴェドの大公プイス
  • スィールの娘ブランウェン
  • スィールの息子マナウィダン
  • マソヌウイの息子マース
カムリに伝わる四つの物語
  • マクセン・ウレディクの夢
  • スィッズとスェヴェリスの物語
  • キルッフとオルウェン
  • ロナブイの夢
アルスルの宮廷の三つのロマンス
  • ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人
  • エヴラウクの息子ペレドゥルの物語
  • エルビンの息子ゲライントの物語

中野節子氏による『マビノギオン』の十一編の概略研究は公開されていてインターネットで読むこともできる。

興味のある人はCiNiiで『マビノーギ』研究と検索してみるといいだろう。

近代・現代の創作、小説を読む

この記事で紹介するのは「ケルト神話本」なのだから、少々ずれることにはなるのだが、創作や小説を入り口にするのも楽しいのではないかと思うので読んだことのあるものからいくつか紹介する。

フィオナ・マクラウド

まずは、青空文庫で読むことも出来るフィオナ・マクラウドの作品。

作家別作品リスト:マクラウド フィオナ

片山広子(松村みね子)氏による翻訳で、青空文庫に入っていることから最も手軽に楽しめる、ケルト幻想作品ではないだろうか。

ピーター・トレメイン

神話ではない。神話ではないが、7世紀のアイルランドを舞台としている修道女フィデルマシリーズは、古代アイルランドの雰囲気を感じるのに良いと思う。
ブレホン法が出てくる邦訳されている小説なんて他にあるかよ……(真顔)

ちなみに、著者のピーター・トレメインはピーター・ベアレスフォード・エリス(Peter Berresford Ellis)が本名であり、イングランドの歴史家。
アイルランドの歴史についての著作もある。だからこそ、フィデルマが書けるのだろう。

P.B.エリス名義のアイルランド史

ケヴィン・ハーン

ごめん、完全に管理人の趣味。
ケヴィン・ハーン『鉄の魔道僧』シリーズをおすすめする。めっちゃ現代小説。アメリカが舞台だけどちゃんとアイルランド神話要素もある。マジで。

まず主人公がフィアナ騎士団以前から生きてるドルイド
二十世紀歳、見た目は、二十歳前後。何故か持ってるフラガラッハ。神様だって殺してみせる。

ネタバレがどこまでがネタバレなのかよくわからない人間なのであんまり色々いうといけないが、1巻が読めたなら、2巻も読んでほしい。
管理人はこの小説のモリガンになんていうかこう、ハートキャッチされた。

むしろグラスプハート。

アイルランド語で読んでみたい方へ【超弩級】

CELT, the Corpus of Electronic Texts

CELT: The online resource for Irish history, literature and politics

上記プロジェクトサイトで数多くのアイルランド語文献にあたることが可能だ。

無料。すごい。そして全く管理人は読めないですが何か?

ゲール語読本シリーズ

大学書林から出ているシリーズ。全三冊ある。
ちゃんと日本語話者向けのものなので、まだいける気がする。

やさしいゲール語読本 1 シォーンとモイラ

たのしいゲール語読本 2 リア王の子たち

うつくしいゲール語読本 3 ダブリンの街

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櫟野もり(Ichino Mori)

ゲームばかりしながらアイルランド神話関係の雑記を書いたりしている。
今やってるのは「FGO」と「FF15」。

ブログのことで何かあればtwitterまでどうぞ!

書籍

Posted by 櫟野もり